吸血鬼を主人公とするRPG『Nighthawks』が、発売直前にSteam上で“Adults Only”相当の扱いを受けた問題について、パブリッシャーのWadjet Eye Gamesは審査結果が見直され、制限が解除されたことを明らかにした。一時は通常のSteam検索に表示されなくなり、一部地域では販売対象から外れる事態となっていた。
Wadjet Eye GamesはValveに異議申し立てを行い、その後9月15日までに成人向け扱いが解除された。さらに今回の騒動が大きな注目を集めたことで、同社代表Dave Gilbert氏によればSteamのウィッシュリスト数は「ほぼ一夜で倍増」したという。なお、この増加率は開発側が保有する内部データに基づく発言であり、Steam上で具体的な登録者数が公開されているわけではない。
クイックサマリー
- タイトル: Nighthawks
- ジャンル: 吸血鬼ナラティブRPG / アドベンチャーRPG
- 開発: The Curiosity Engine
- パブリッシャー: Wadjet Eye Games
- 脚本・ゲームデザイン: Richard Cobbett
- アート: Ben Chandler
- 音楽: Thomas Regin
- プロデューサー: Dave Gilbert
- 公式発表の発売日: 2026年9月22日
- Steam発売日: 2026年9月22日
- AUTOMATONでの日本向け表記: 2026年9月23日
- 主な対応プラットフォーム: PC
- ストア: Steam
- ストア: GOG
- Steam App ID: 1221950
- Steamジャンル: Adventure
- Steamジャンル: Indie
- Steamジャンル: RPG
- プレイ人数: 1人
- Steam実績: 対応
- Steam Cloud: 対応
- 対応言語: 英語
- 英語インターフェース: 対応
- 英語フル音声: 対応
- 英語字幕: 対応
- 日本語: 非対応
- 主人公: 死から6か月後に吸血鬼として蘇った人物
- 世界設定: 吸血鬼の存在が世間に知られている
- 主な舞台: 人間と吸血鬼の共存を模索する都市
- 経営要素: ナイトクラブ
- 目標: 小さなナイトクラブを大きな勢力へ成長させる
- 主な手段: 誘惑、威圧、超自然的なGifts
- 仲間: 10人をリクルート可能
- テキスト量: Steamによれば80万語以上
- 物語: プレイヤーの選択で大きく分岐
- 戦闘: 戦略的なバトル要素あり
- 吸血鬼能力: Mesmerism
- 吸血鬼能力: Natural Dominion
- 吸血鬼能力: Tenebrous Form
- Steamの成人向け説明: 強い言葉遣い
- Steamの成人向け説明: 成人向けのシチュエーション
- 裸体表現: 恋愛場面で非露骨な表現が一部あり
- 露骨な性描写: 開発側説明ではなし
- 性的暴力: 開発側説明ではなし
- Steamの成人指定発覚: 2026年9月13日
- 影響: 通常検索から除外
- 地域制限: 一部地域で販売対象外になったと開発側が説明
- 具体例: ドイツ
- 異議申し立て: 実施
- 成人向け扱い解除: 2026年9月15日
- 最初の判定理由: 明確な公式説明なし
- 解除理由: 明確な公式説明なし
- 発売: 予定通り進行
- ウィッシュリスト: Dave Gilbert氏によれば一夜でほぼ倍増
- Steam公開データ: 登録数は非公開
- 増加率: 開発者発言であり第三者による独立検証は不可
- Kickstarter: 2018年に実施
- 目標額: 12万5000ドル
- 調達額: 13万6128ドル
- 支援者: 3934人
- 開発期間: 約8年
- 現在: 9月22日の発売を予定
公式トレーラーとSteam版『Nighthawks』

発売直前に突然“Adults Only”扱いへ
問題が表面化したのは9月13日。
Wadjet Eye Games代表のDave Gilbert氏は、Steamが『Nighthawks』を成人向けタイトルとして分類し、通常の検索結果から除外したことを報告した。
影響は検索だけではなかった。
開発側によれば、一部の国ではストアで購入できない状態になり、Richard Cobbett氏はドイツも対象地域のひとつだったと説明している。
発売を目前に控えたインディーゲームにとって、Steam検索から外れることは大きな問題だ。もともと作品を知らないユーザーへ自然に届く経路が狭まり、発売前のウィッシュリスト獲得にも直接影響しかねない。
そこでWadjet Eye GamesはValveへ異議申し立てを行い、判定の見直しを求めた。
実際の性的表現は「かなり穏やか」と開発側
今回の判定に開発側が困惑した理由は、Steamの商品ページに現在掲載されている成人向けコンテンツ説明からも読み取れる。
『Nighthawks』には強い言葉遣いや成人向けの状況、恋愛、暴力、吸血鬼らしいダークなテーマが含まれている。
一方、裸体表現については恋愛場面での非露骨なものが一部ある程度と説明されている。
また、多くの成人向け要素はテキストによる表現で、露骨なセックスシーンや性的暴力はないと開発側は明記している。
Cobbett氏も、性的な内容は基本的に穏やかで、登場する場合もコメディ寄りだと説明していた。
なお、今回話題になった“Adults Only”はSteam上でのコンテンツ分類・表示制限の話であり、ESRBの「AO」レーティングが正式に付与されたという意味ではない点には注意したい。
異議申し立て後、9月15日までに制限解除
その後、状況は急速に動いた。
Wadjet Eye Gamesは9月15日までに成人向け扱いが解除されたことを報告。『Nighthawks』は再びSteamで通常どおり発見しやすい状態へ戻った。
Gilbert氏によれば、Valveは異議申し立てのレビューを迅速に進め、発売に間に合うよう対応したという。
その点について同氏はValveに感謝を示している。
ただし、なぜ最初に成人向け扱いとなったのかは依然として不明だ。
Gilbert氏は、最初の判定理由についても、なぜ最終的に変更されたのかについても、明確な説明は受けていないとしている。
そのため、「自動判定システムの誤作動だった」「特定のシーンが原因だった」といった断定は現時点ではできない。
騒動後、ウィッシュリストが「ほぼ一夜で倍増」
予想外だったのは、その後の反応だ。
Gilbert氏はPC Gamerに対し、騒動が広く報じられたことでSteamのウィッシュリスト登録が“basically doubled overnight”、つまりほぼ一夜で倍になったと説明している。
本人は数日間かなり強いストレスを感じていた一方、結果だけを見れば今回の出来事は“net positive”だったとも振り返った。
もちろん、新たに登録した全員が購入予定者とは限らない。
Gilbert氏自身、今回の判定に抗議する意味で登録した“protest wishlist”も一定数含まれているだろうと見ている。
それでも、発売前タイトルへの関心が一気に高まったこと自体は確かだろう。
ただしSteamでは各タイトルの正確なウィッシュリスト登録者数は一般公開されない。そのため「ほぼ倍増」という数値はあくまで開発側が確認した内部データに基づくもので、外部から同じ数字を確認することはできない。
小規模デベロッパーなら同じ結果にならなかった可能性も
騒動が解決したあと、Gilbert氏は別の懸念も口にしている。
今回ここまで早く対応が進んだ背景には、自身が持つ業界内のつながりやファン層、そして一定の知名度があった可能性があるという。
より小規模で、声を届ける手段が少ないインディーデベロッパーが同じ状況に置かれた場合、発売前に同様のスピードで解決できるとは限らない。
ストア側の分類ひとつが検索表示や地域販売へ直結する以上、こうした問題はインディー作品にとって非常に大きい。
Gilbert氏は今回の一件を通じ、Valve側にもインディー開発者が直面し得る問題として認識され、今後はほかのチームがより対処しやすくなることを願っていると話している。
Kickstarterから約8年、ようやく発売へ
この騒動が起きたのは、長い開発の最終盤だった。
『Nighthawks』は2018年9月5日から10月5日にKickstarterを実施。
目標額12万5000ドルに対し、3934人から13万6128ドルを集め、目標の約109%を達成した。
脚本とデザインを担当するのは、『Sunless Sea』『Sunless Skies』などに携わったRichard Cobbett氏。
アートは『Unavowed』『Old Skies』などで知られるBen Chandler氏、音楽はThomas Regin氏、プロデューサーはDave Gilbert氏が担当する。
Wadjet Eye Gamesは2026年9月の発売日発表で、本作が約8年の開発期間を経てようやくリリースを迎えると紹介していた。
吸血鬼としてナイトクラブを成り上がらせるRPG
物語は、主人公が死亡してから6か月後、吸血鬼として蘇るところから始まる。
ところが、この世界ではすでに吸血鬼の存在が世間に知られている。
存在そのものはある程度認められている一方、血を求める性質への恐怖や偏見は残ったままだ。
主人公は人間と吸血鬼の共存を掲げる都市へたどり着き、そこで新たな人生を始めることになる。
ゲームでは寂れたナイトクラブを引き継ぎ、自分の帝国へ成長させることも大きな目標のひとつ。
誘惑、威圧、仲間との関係、吸血鬼としての超自然能力などを使いながら、自分がどのような怪物として生きるのかを選んでいく。
Steamによれば、物語や秘密を含むテキスト量は80万語以上。仲間として迎えられるキャラクターも10人用意されている。
注目ポイント
1)ストアの分類ひとつで発売前の露出が大きく変わる
まだ発売されていない段階で、Steam検索への表示や地域販売に影響が出た。
2)予想外の騒動が宣伝効果につながった
Wadjet Eye Gamesによれば、報道やユーザーの反応をきっかけにウィッシュリスト数はほぼ倍増した。
3)最初の判定理由はいまだ不透明
異議申し立て後に解除されたものの、Valveから具体的な原因は説明されていない。
4)約8年の開発の最後に起きたトラブル
2018年のKickstarterから長い時間をかけた作品だけに、発売直前のストア問題は開発側にとって大きなプレッシャーとなった。
ゲーム・Steam騒動情報
現時点で判明している主な追加情報は以下の通りです。
- 『Nighthawks』の開発はThe Curiosity Engine
- パブリッシャーはWadjet Eye Games
- 脚本・ゲームデザインはRichard Cobbett氏
- アートはBen Chandler氏
- 音楽はThomas Regin氏
- プロデューサーはDave Gilbert氏
- Steam上のジャンルはAdventure、Indie、RPG
- 1人プレイ専用
- Steam実績に対応
- Steam Cloudに対応
- Steam Statsに対応
- 英語インターフェースに対応
- 英語フル音声に対応
- 英語字幕に対応
- 日本語は現時点で非対応
- Steamでは80万語以上のストーリーと秘密を収録すると説明
- 仲間にできるキャラクターは10人
- Madame Luxが仲間候補として登場
- Mazeも仲間候補
- Dominoも仲間候補
- Agathaも仲間候補
- 吸血鬼の特殊能力「Gifts」を使用可能
- Mesmerismでは人間への干渉が可能
- Natural Dominionは動物を操る能力
- Tenebrous Formでは煙のような姿へ変化
- 戦略的な戦闘要素あり
- ナイトクラブ経営が成長要素のひとつ
- 選択によって人間関係や物語が変化
- Steam成人向け説明にはstrong languageを記載
- adult situationsも含まれる
- 裸体表現は一部の恋愛場面で非露骨なもの
- 多くの成人向け内容はテキスト表現
- 露骨な性行為シーンはないと開発側
- 性的暴力もないと説明
- 9月13日にAdults Only扱いが判明
- 通常のSteam検索から除外されたとパブリッシャーが説明
- 一部地域では販売対象外になった
- Richard Cobbett氏はドイツを例として挙げた
- Wadjet Eye Gamesが異議申し立てを実施
- 9月15日までに制限解除
- Dave Gilbert氏はレビューを迅速化したValveに感謝
- 最初の判定理由について明確な説明はなし
- 解除の具体的理由も公表されていない
- Gilbert氏は結果的に“net positive”だったと説明
- ウィッシュリストは“basically doubled overnight”と発言
- 具体的な登録者数は非公開
- Steamの公開データから増加率を独立検証することはできない
- 新規登録の一部はprotest wishlistの可能性もあるとGilbert氏
- 発売予定自体は維持
- Wadjet Eye Gamesの公式発売日は2026年9月22日
- Steamでも9月22日表記
- AUTOMATONでは日本向けに9月23日と報道
- GOGでも発売予定
- GOG版はDRMフリー
- Kickstarter開始日は2018年9月5日
- 終了日は2018年10月5日
- 目標額は12万5000ドル
- 最終調達額は13万6128ドル
- 支援者は3934人
- 達成率は約109%
- 開発期間は約8年
- SteamのWindows最低環境はWindows 10 64-bit
- CPUは2GHz以上
- メモリは8GB RAM
- 必要ストレージは10GB
- SteamではmacOS向け要件も掲載
- Linux向け要件も掲載
- 公式情報はNighthawks Official Pageで公開
- 発売日情報はWadjet Eye Games Release Announcementで公開
- 公式映像はNighthawks Official Trailerで公開
- PC版はNighthawks on Steamでウィッシュリスト登録可能
- DRMフリー版はNighthawks on GOGで掲載
- クラウドファンディング情報はNighthawks Kickstarterで確認可能
まとめ
『Nighthawks』は、発売直前に発生したSteamでの成人向け分類問題を、異議申し立てによってリリース前に解決した。現在は制限が解除され、SteamとGOGで2026年9月22日の発売を予定している。
一方、なぜ最初にAdults Only扱いになったのかについては、現在も具体的な説明がない。約8年の開発を終えようとするタイミングで起きた予想外の騒動だったが、結果的には大きな注目を集め、Wadjet Eye Gamesによればウィッシュリストがほぼ一夜で倍増するという“思わぬ宣伝効果”も生まれた。
- Wadjet Eye Games — Official September 22 Release Announcement and Eight-Year Development Update
- Steam — Official Nighthawks Store Page, Release Date, Mature Content, Features, Team, and System Requirements
- Wadjet Eye Games / YouTube — Official Nighthawks Trailer
- GOG — Official Nighthawks DRM-Free Store Page, Game Features, and Team Information
- Kickstarter — Official Nighthawks Campaign, Funding Total, Goal, and Backer Count
- PC Gamer — Initial Adults Only Classification, Search Removal, Regional Delisting, and Developer Response
- PC Gamer — Adults Only Reversal, Appeal Details, and Developer-Reported Wishlist Increase
- AUTOMATON — Japanese Report on the Steam Classification Reversal and Wishlist Surge